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発達障害医学の進歩35

¥2,750 (税込)

発達障害診断の再考と切れ目のない支援を目指して

編集 古荘 純一
判型 B5
ページ数 70頁
定価 2,750円(税込)
企画・発行 公益社団法人 日本発達障害連盟

一般社団法人日本発達障害学会

ISBN 978-4-902448-09-2

説明

今回の医学セミナーは「発達障害診断の再考と切れ目のない支援を目指して」をテーマとして①島田療育センターの野村健介先生に「SDM-5-TRについて」、②奈良県立医科大学の岡田俊先生に「発達障害診断の最近の知見」、③金城学院大学看護学部の鷲見聡先生に「発達障害の疫学調査の変遷」、④文教大学教育学部の成田奈緒子先生に「発達障害を疑う高学歴の親への対応」、⑤筑波総合クリニック(筑波大学名誉教授)の宮本信也先生に「発達障害支援に必要なこと」(講演順)の講演をいただきましたが、本誌ではそれぞれの講演内容を原稿にまとめていただきました。新たに、川崎こども心理ケアセンターかなで/かなで診療所の小石誠二先生に「養育に困難を生じる例の傾向と対策」の原稿と、青山学院大学教育人間科学部古荘純一先生より「診断名にとらわれず個々の事例から学ぶこと」、合わせて2つの原稿を追加し、合計7本の原稿からなる『発達障害医学の進歩35集』として発刊する運びとなりました。いずれの論文も著名な先生方の書下ろしの原稿であり、新たな知見が含まれています。今までの知見をアップデートできる貴重な内容であることは間違いありません。必ずしも医療を専門としない方々に向けてもわかりやすいように、図表や事例を多く用いていただきました。(序文より抜粋し紹介)

【目次】
■DSM-5-TR における神経発達症の記述 ~変わるもの、変わらないもの~ 野村健介

精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM)の進歩
神経発達症の診断の変遷
DSM-5-TR での神経発達症の診断基準とその運用
DSM-5-TR の構成
増悪因子としての身体疾患・生活習慣あるいは身体的合併症― 特にADHD について
神経発達症と自殺念慮や自殺行動との関連

■発達障害の本態と併存症の関係を読み解く 岡田 俊

発達障害とは何か
神経発達症の諸特性と主観的体験― 自閉スペクトラム症を例として
自閉スペクトラム症における対人認知障害
対人認知障害を起点とする育ちの理解
対人認知障害を起点とする併存症の理解
おわりに

■ 発達障害の疫学研究 ~マクロな視点から支援を考える~ 鷲見 総

はじめに
発達障害の有病率の変化と支援体制
発達障害児の長期的経過
一般の人々にみられる発達障害特性
考察

■子どもの発達障害を疑う高学歴の親への対応 成田奈緒子

はじめに
からだの脳、人間らしさの脳、社会の脳
睡眠の大事さ
自律的に生活できる脳をつくる
「自分の中の時間」の確立
事例
診断をつけるかつけないか
高学歴親の傾向と子どもへの影響
中高生以降に起こりやすい問題
おわりに

■発達障害のある子どもへの支援 ~思春期における課題・問題の考え方~ 宮本信也

思春期の心の特徴
発達障害のある子どもたちの思春期
発達障害のある子どもたちの思春期課題
発達障害のある子どもたちの思春期における「課題的問題」
発達障害のある子どもたちの思春期における合併症・併存症
思春期における問題の予防のために

■ 養育に困難を生じる例の傾向と対策 小石誠二

はじめに
「養育の困難」について
身体医学的疾患による問題
虐待や迫害を受けることによる影響
育児を取り巻く環境の問題
併存症
医原性の悪化や医療体制の問題など
おわりに

■ 診断名にとらわれず個々の事例から学ぶこと 古荘純一

はじめに
DSM-5における診断概念の変化
事例の診断名表記について
事例提示
考察