セミナー情報

2025年度 発達障害医学セミナー

  今回の医学セミナーのテーマは、発達障害児(者)の知的機能・適応行動の制約の理解とサポートとしました。現場では、知的障害の有無で支援を変えることがしばしばありますが、そもそも知的障害は単に知的機能だけでなく適応行動の明らかな制約があるものです。適応行動の制約は発達障害のすべてのタイプに生じうるものです。

 診断タイプ別ではなく、発達障害に普遍的にみられやすい知的機能や適応行動の支援について、今回も著名な講師の先生方をお招きして、それぞれの視点で講義をいたします。さらに、今回初めての企画として、境界知能の当事者と家族に登壇いただき体験談をお話しいただきます。

  本セミナーを受講した皆さんに、実践や新しい知見をお伝えすることができて、明日からの臨床や支援の現場に、必ず役に立つのではないかと思っています。多くの皆さんのご参加をお待ちしています。

発達障害医学セミナー コーディネーター 古荘純一
公益社団法人 日本発達障害連盟 理事
青山学院大学 教育人間科学部 教育学科 教授

●知的障害を併存する発達障害児への支援として、診断・療育・からの地域支援 縦断的な療育を通じて発達を促し、身体症状のある児童には専門的な医療と福祉の連携を提供。地域支援の実践例を共有し、包括的な支援のあり方を探る。

●療育手帳と精神障害者福祉手帳を統合した支援の可能性を探る 現行制度の課題を分析し、包括的な支援の限界と改善策。地域差や判定基準の統一化、実際の支援事例を通じて、より効果的な支援の在り方を考察する。

●境界知能のある人々が教育・福祉・医療の制度から見落とされる現状を探る 専門家と当事者の対談を通じ、支援の課題と改善策を議論。社会的認知の向上と包括的な支援の在り方を考察

●知的障害・発達障害のある人々のQOL向上に向けた支援策を探る 生活環境、就労、社会参加の課題を分析し、実践的な支援モデルを紹介。地域資源の活用、より包括的な支援の在り方を考察する。

●発達障害のある人々とゲーム・ネット・スマホの関係を探る デジタル機器の影響を分析し、適切な利用方法や支援策を議論。依存リスクと対策、生活の質向上のための実践的アプローチを紹介し、健全なデジタル環境を考察する。

発達障害児(者)の知的機能や適応行動の制約について、診断タイプに依存せず、共通する支援の視点を学びます。療育手帳制度の限界や、QOL向上のための支援モデルについても理解を深めます。

知的障害の有無だけでなく、適応行動の制約が支援に影響を与えることを再認識し、境界知能の当事者や家族の体験談を通じて、現行の支援制度の課題や見落とされがちな支援ニーズに気づきます。

著名な講師による最新の研究や実践的な支援策を学び、臨床や支援の現場で即活用できる知識を得ます。デジタル機器との付き合い方や、地域支援の具体的な方法を実践に活かすヒントを得ることができます。

本セミナーは、以下の2つの方法でご参加いただけます。申込時にご希望の参加形態をお選びください。

  1. 参集型(当日会場参加)
    指定の日時に会場でご参加いただけます。登壇者とのQ&Aセッションも可能です。
  2. オンデマンド配信
    セミナー終了後、録画データをオンデマンドでご視聴いただけます。ご自身の都合の良い時間に視聴が可能です。

日時2025年12月20日(土)
参加形式参集型:会場での参加
会場青山学院大学 渋谷キャンパス(東京都渋谷区渋谷4-4-25)
JR山手線、JR埼京線、東急線、京王井の頭線、
東京メトロ副都心線 他「渋谷駅」より徒歩10分
東京メトロ(銀座線・千代田線・半蔵門線)
「表参道駅」より徒歩5分
定員1日間 100名
※ ご入金日により先着順になります。
参加対象者発達障害医療、福祉、教育、行政関係、保護者 他
参加費12,500円(賛助会員 11,250円)
※ 連盟構成団体の会員と、連盟賛助会員とは異なりますのでご注意ください。
主催公益社団法人 日本発達障害連盟
  • 参加される方の理由によるキャンセルにつきまして、ご入金後の払い戻しはできかねますので予めご了承ください。
  • 2週間以内にご入金ください。ご入金が確認できない場合はキャンセルとさせていただきます。
  • お申し込みの取り消しはできませんが、代理の方の出席は可能です。
  • 会場内での撮影・録音についてはご遠慮いただいておりますので、ご了承ください。また、PC等の持ち込みにつきましても、タイプ音が他の参加者の迷惑になる場合がございますので、ご遠慮くださいますようお願いいたします。
  • 準会員、賛助会員割引適用は、構成団体とは別になります。ご注意ください。
  • 感染症対策については施設側の対応に準じて実施します。開催日が近づきましたら参加者証と共に感染症対策についてのお手紙を送らせて頂きますのでそちらをご確認ください。

参加形式オンデマンド:セミナー終了1週間後にアクセス先をメールにてお届けします。公開より1か月間視聴可能です。
会場限定公開
定員定員はございません。
オンデマンド配信はセミナーが終了した1月上旬頃に配信いたします。
一か月間の配信となります。
参加対象者発達障害医療、福祉、教育、行政関係、保護者 他
参加費12,500円(準会員・ 賛助会員 11,250円 )
※ 連盟構成団体の会員と、連盟賛助会員とは異なりますのでご注意ください。
※ 準会員・賛助会員にご入会いただきますと10%割引が適用されます。(人数上限あり)
主催公益社団法人 日本発達障害連盟
  • 参加される方の理由によるキャンセルにつきまして、ご入金後の払い戻しは出来かねます
  • 講義資料の無断共有はお止めください(SNSや他サイトへのアップロードは禁止)
  • 講義の録音・録画の無断公開はお止めください
  • 安定したインターネット環境でご視聴ください
  • 質問がある場合は、下記問い合わせ先までご連絡ください
  • 準会員、賛助会員割引適用は、構成団体とは別になります。ご注意ください。

※お申込はこちらの専用フォームにご入力ください。

  • お申込みいただきますと、申込確認メールが届きます。そちらに入金の方法が記載されております。メールが届かない場合は事務局へお問い合わせください。
  • ホームページ上でのご入金はできませんのでご了承ください。
  • 参加費を添えてお申し込みください。

    

本田 真美氏(ほんだ まみ)


あのねコドモくりにっく 院長/小児科医

北海道大学医学部卒業後、大学病院および地域中核病院での勤務を経て、小児科医としての経験を積む。
その中で発達に特性のある子どもたちやご家族への支援の必要性を強く感じ、医療と教育・福祉をつなぐ地域支援に携わるようになる。

本田真美先生は、「あのねコドモくりにっく」の院長として、小児科医の立場から子どもたちの健やかな発達と心の成長を支える医療を実践されています。これまでの小児医療の経験を生かし、単に病気を治すだけでなく、子どもたち一人ひとりの個性や発達の違いに丁寧に寄り添いながら、保護者との信頼関係を大切にした診療を行っておられます。

特に、発達に特性のある子どもたちや、日常生活や集団生活で困りごとを抱える子どもたちへの理解と支援に力を注いでおり、「困っている子どもほど大人が理解し、つながりを築くことが大切」という理念のもと、子どもと家族に寄り添う医療を提供されています。

また、地域の保育園や学校、療育機関などとも連携し、子どもを取り巻く環境全体を支える包括的な支援体制づくりにも積極的に取り組まれています。保護者や支援者向けの講演活動や情報発信も行っており、子育ての不安を抱える家庭に対して、安心と具体的な支援の手がかりを届けています。

本田先生は、「子どものこころと身体の両面を診る」視点から、日々の診療の中で、子どもたちが自分らしく成長していくための支えとなるよう尽力されています。

主な専門分野:小児発達、子どものメンタルヘルス、発達障害支援、小児一般診療
所属学会:日本小児科学会/日本小児精神神経学会/日本発達障害学会 ほか

前本達男氏(まえもと たつお)

国保旭中央病院小児科 医師

国保旭中央病院小児科において、小児医療の最前線で長年にわたり地域の子どもたちとそのご家族に寄り添った医療を提供されています。特に発達に課題のある子どもたちに対する臨床的支援に力を注ぎ、単なる医学的診断にとどまらず、子ども一人ひとりの特性に応じた関わりや、保護者・学校・地域との連携を大切にした支援を実践しています。

日々の診療では、「困った子ども」ではなく「困っている子ども」として、その背景にある発達的な特性や心理的な要因を丁寧に見立て、保護者との対話を通じて理解と支援の輪を広げています。また、発達障害をはじめとする神経発達症に関して、医学的な視点と人間的な理解を両立させた支援方針を打ち出し、医療・教育・福祉の枠を超えた多職種連携の重要性を説いています。

本田 秀夫氏(ほんだ ひでお)


信州大学医学部 子どものこころの発達医学教室 教授
精神科医・医学博士

東京大学医学部医学科卒業。東京大学医学部附属病院精神神経科を経て、国立精神・神経医療研究センターなどで発達障害に関する臨床・研究に従事。2014年より信州大学医学部子どものこころの発達医学教室教授として、発達障害児・者の診療、教育、研究に取り組んでいる。

本田秀夫先生は、精神科医として長年にわたり発達障害のある子どもたちとその家族の支援に携わり、現在は信州大学医学部子どものこころの発達医学教室の教授として、臨床・研究・教育の各分野で精力的に活動されています。専門は児童青年精神医学および発達障害医学で、特に自閉スペクトラム症(ASD)を中心とした発達障害の診断と支援に関する深い知見を有し、子ども一人ひとりの特性を理解した上での支援の在り方を社会に発信してきました。

医療現場では、子どもの行動や感情に見られる「困りごと」の背景を丁寧に読み解き、本人や家族がよりよく生活できるための支援を行ってきました。また、大学では次世代の医療従事者や支援者に向けて発達障害への理解と関わり方を教育し、専門性のある人材育成にも尽力しています。

さらに、講演活動やメディア出演、著書の執筆を通して、発達障害に関する正しい知識の普及や、社会全体の理解促進にも大きく貢献されています。特に「発達障害のある子どもたちの“不可解”に見える行動には理由がある」という視点から、多くの人が当事者の立場に立って考えるきっかけをつくってきました。

このように本田先生は、医学的な視点と人間理解のバランスを大切にしながら、発達障害のある子どもたちが安心して自分らしく生きられる社会の実現に向けて、幅広いフィールドで活動を続けています。

  • 『知的障害と発達障害の子どもたち』(SB新書)
  • 『マンガでわかる 発達障害の子どもたち 自閉スペクトラムの不可解な行動には理由がある』(SBクリエイティブ)
  • 『自閉症スペクトラム 10人に1人が抱える「生きづらさ」の正体』(SB新書)
  • 『発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族」たち』(SB新書)
  • 『10代からのメンタルケア 「みんなと違う」自分を大切にする方法』(KADOKAWA)
  • 『おとなの自閉スペクトラム ― メンタルヘルスケアガイド』(金剛出版)
  • 『学校の中の発達障害 「多数派」「標準」「友達」に合わせられない子どもたち』(SBクリエイティブ)
  • 『子どもの発達障害 子育てで大切なこと、やってはいけないこと』(SBクリエイティブ)
  • 『発達障害の人に聞きました ― 自閉スペクトラム症(ASD)の人に教わったこと』(星和書店)

主なテレビ出演

SBC信越放送『本田先生のこころ診察室~発達障害のこどもたち~』
3年間にわたる取材を受け、発達障害の子どもたちへの診療や支援の様子が放送された 。

NHK Eテレ『ハートネットTV 教えて!本田先生』
「“発達障害”お悩み相談の旅」シリーズに出演し、発達障害に関する悩みに対して専門的なアドバイスを提供 。

NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』
「あなたらしく、笑顔で生きて~精神科医・本田秀夫~」に出演し、発達障害の診療に取り組む姿勢が紹介された 。

NHK Eテレ『キラキラムチュー』サポート特別編2025
発達障害の特性による困りごとに対して、子どもたちがラクに生活できるサポートの方法や考え方を紹介 。

吉川 徹氏(よしかわ とおる)


愛知県医療療育総合センター中央病院 子どものこころ科 部長
あいち発達障害者支援センター 副センター長
児童精神科医・医学博士

吉川徹先生は、発達障害や強度行動障害のある子どもたちへの支援を専門とし、医療・療育・福祉・教育の現場をつなぐ多角的な活動を展開しています。愛知県医療療育総合センター中央病院の子どものこころ科で長年にわたり診療と支援に従事され、特に自傷や他害、強いパニックなど、いわゆる「強度行動障害」と呼ばれる困難を抱える子どもたちに対して、単なる行動の抑制ではなく、その背景にある心理や環境要因を丁寧に読み解き、対話を通じた支援を実践されています。

また、あいち発達障害者支援センター副センター長として、教育・福祉・医療など多様な関係機関と連携し、地域における支援体制の構築にも力を注いでいます。保育園や学校、障害福祉サービス事業所などへの訪問支援やコンサルテーションも積極的に行っており、現場で働く支援者に対する助言や研修も数多く担当しています。

啓発活動にも積極的で、自治体や各種支援機関が主催する講演会や研修会では、発達障害に関する理解と支援の方法について、多くの人々に実践的な知識を届けてきました。専門職のみならず、保護者や一般の人々にもわかりやすい言葉で情報発信を行い、著書『対話から始める脱!強度行動障害』では、対話による支援の可能性と重要性を伝え、現場に寄り添った内容が高い評価を受けています。

このように吉川先生は、発達に特性のある子どもたちがその子らしく生きるために必要な支援を、臨床・教育・啓発の場面を通じて幅広く提供しており、支援の実践と理論をつなぐ貴重な役割を担っています。

主な著書

  • 『対話から始める脱!強度行動障害』(中央法規出版、2021年)
  • 『発達障害のある子どもたちへの支援』(共著、医学書院、2018年)
  • 『子どものこころと発達障害』(共著、金子書房、2015年)​

これらの著書では、発達障害や強度行動障害を持つ子どもたちへの理解と支援の方法について、実践的なアプローチを紹介しています。​

主なテレビ出演

  • NHK Eテレ『ハートネットTV』
    • 「“発達障害”お悩み相談の旅」シリーズに出演し、発達障害に関する悩みに対して専門的なアドバイスを提供
  • NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』
    • 「あなたらしく、笑顔で生きて~精神科医・吉川徹~」に出演し、発達障害の診療に取り組む姿勢が紹介された
  • SBC信越放送『吉川先生のこころ診察室~発達障害のこどもたち~』
    • 3年間にわたる取材を受け、発達障害の子どもたちへの診療や支援の様子が放送された​

これらの番組では、発達障害のある子どもたちとその家族への支援の重要性や、現場での取り組みについて広く紹介されました。

古荘 純一氏(ふるしょう じゅんいち)


青山学院大学 教育人間科学部 教育学科 教授
公益社団法人 日本発達障害連盟 理事
小児科医・小児精神科医・医学博士

大学卒業後、昭和大学医学部小児科学教室で助手、専任講師を務め、公立昭和病院や亀田総合病院で小児科医長として勤務。​2002年より青山学院大学に赴任し、2009年から現職。​また、2002年から昭和大学医学部小児科学教室の非常勤講師も務めています。

小児科医・小児精神科医として長年にわたり、発達に課題を抱える子どもたちの支援に携わってきました。現在は青山学院大学教育人間科学部教育学科の教授として、未来の教育者や支援者の育成に取り組むとともに、公益社団法人日本発達障害連盟の理事として、発達障害のある子どもたちやその家族の社会的支援体制の充実に尽力されています。

特に、知的障害と診断されないまでも学習や社会生活に著しい困難を抱える「境界知能」の子どもたちや、身体の不器用さによって生活や学習に支障をきたす「DCD(発達性協調運動障害)」など、見落とされやすい発達特性に着目し、社会的理解と支援の必要性を強く訴えてきました。著書や講演では、こうした子どもたちが「困った子」ではなく「困っている子」であるという視点を広く社会に浸透させることを目指し、子ども本人の尊厳と権利を尊重する支援のあり方を提言しています。

また、テレビ出演や一般書の執筆を通じて、専門知識をわかりやすく社会に発信する活動にも積極的に取り組んでいます。保護者、教育現場、支援機関それぞれが連携し、子ども一人ひとりの特性を理解し合える社会の実現に向けて、臨床・研究・啓発の三本柱で幅広い活動を展開しています。

主な著書

  • 『境界知能: 教室からも福祉からも見落とされる知的ボーダーの人たち』(講談社、2022年)
  • 『DCD発達性協調運動障害: 子どもの運動がへたなのはなぜなのか』(講談社、2021年)
  • 『自己肯定感で子どもが伸びる 12歳までの心と脳の育て方』(ダイヤモンド社、2019年)
  • 『日本の子どもの自尊感情はなぜ低いのか 児童精神科医の現場報告』(光文社新書、2018年)
  • 『空気を読みすぎる子どもたち』(講談社、2017年)
  • 『ことばの遅れが気になるなら 接し方で子どもは変わる』(講談社、2016年)
  • 『発達障害サポート入門 幼児から社会人まで』(教文館、2015年)
  • 『神経発達症(発達障害)と思春期・青年期』(明石書店、2014年)​

主なテレビ出演

  • NHK『首都圏情報 ネタドリ!』
    • 「7人に1人が『境界知能』」特集に出演し、境界知能の実態と支援の必要性について解説(2024年10月18日放送)
  • NHK Eテレ『ハートネットTV』
    • 発達障害や子どもの心の問題に関する特集に出演し、専門的な視点から解説
  • NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』
    • 「子どもの心に寄り添う 小児精神科医・古荘純一」に出演し、診療に取り組む姿勢が紹介された​

内容

お申し込み方法

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(上記の申込フォームと同じものです)

お問い合わせ先

名称公益社団法人 日本発達障害連盟 セミナー担当
所在地〒114-0015
東京都北区中里1-9-10 パレドール六義園北 402号室
電話番号03-5814-0391
FAX03-5814-0393