途上国支援

技術と知識の提供

地域活動としての知的障害者支援

委託終了

日本発達障害連盟では開発途上国の発達障害者支援活動のひとつとして途上国における人材育成に取り組んでいます。毎年8~10名の知的障害者福祉に関わる開発途上国の関係者を対象として、(独)国際協力機構(JICA)から研修指導・運営を委託されて実施しています。1980年から2019年の38年間で66カ国から346名が参加しています。開発途上国では知的障害者支援に当てられる公的予算はわずかで、制度やサービス自体も不足しています。日本の技術やサービスを紹介することから得られる効果のみではなく、「地域活動としての知的障害者支援」をテーマに、地域住民へのアプローチにも焦点を置き研修を運営しています。

背景・目的

開発途上国で何らかの公的支援を受ける知的障害者は、知的障害者全体の1~10%といわれています。経済基盤の脆弱な開発途上国政府では、知的障害者の支援にまで手が回っていないのが現状です。彼らを支援するのは多くの場合「家族」ですが、日々の生活に追われる家族にとって、生涯を通して周囲の支援を必要とする知的障害者を抱える負担は、決して軽いものではなく、知的障害者への偏見から、彼らに対するレイプやいじめも多く発生しているといわれています。多くの開発途上国において、相互扶助の精神からなる住民活動が存在しています。住民が偏見を捨て、相互扶助の精神を発揮し、住民活動として知的障害者を支援するようになれば、知的障害者にとって健全な生活環境が生まれます。2カ月にわたる研修では、知的障害者の人権を実感する機会を得ながら、自国の課題とリソースを明らかにし、住民活動を創りだす技術を習得することで、知的障害者を支援する社会をつくることを目的としています。

目標

研修中に作成したアクションプランが自国の所属先と共有され、事業化されることを目標としています。

プログラム・スケジュール

下記の5つを柱としたプログラムで、講義・見学・討議・実習などが含まれます。

フェーズ1自国の状況・ニーズ分析
フェーズ2日本の支援制度
フェーズ3日本の住民活動(地方における知的障害者支援の視察)
フェーズ4開発途上国の住民による活動とその方法
フェーズ5第3国研修(地域住民ファシリテートの実習)とアクションプランの作成

研修員参加資格

  • 所定の手続きを経て各国政府が推薦した者
  • 村落開発、社会福祉、地域医療等の国家レベルないしは地域レベルのNGO、あるいは障害者のCBRセンターで、フィールドプログラムの運営・企画・実施の責任にかかわるマネージャー、コーディネーター
  • 帰国後も同様の職務につく者
  • NGOプロジェクトマネージャーとして3年以上の経験を有する者
  • 30歳以上の、大卒もしくは同等の専門知識を有する者
  • 十分な英会話能力及び筆記能力を有する者