2023年7月29日(土)30日(日)、2日間にわたり北とぴあにて開催いたしました。
1日目は長年自閉症支援に携わってきた当連盟の理事二名が登壇し、自閉症の方にとって必要なアセスメントについて自身の経験をもとに講義を行いました。
午後からは2日間に渡りワークショップ形式のプログラムを開催しました。
グループ単位で行うディスカッションでは実際の実例を用いて他事業所の方々との意見交換を行いながら、ご自身の気づきを個別のワークシートに記入していく中で、自閉症の方々を理解するとはどのようなことなのかという理解を深めていく内容となりました。
また、今回行ったディスカッションの方法はご所属の場所の帰られてからもご活用頂ける内容をプログラムいたしました。
日々の事業所内のミーティングや情報共有にもご活用いただける内容となりました。
プログラム
1 日目:7月 29日(土)
◆自閉症支援の学びを続ける長い旅路 ~自閉症の人にとって必要なアセスメントとは~
日本発達障害連盟常務理事(社福)横浜やまびこの里相談支援部長 志賀利一
日本発達障害連盟理事(独)国立重度知的障害者総合施設のぞみの園総合企画局研究部部長 日詰正文
◆【ワークショップ(オリエンテーション)】本研修について 明星大学人文学部福祉実践学科 准教授 繩岡好晴
◆【講義②グループワーク1:前半】エピソードから改めて振り返る 明星大学人文学部福祉実践学科 准教授 繩岡好晴
◆【講義③グループワーク2:後半】自閉症の方を理解するとは●事例報告 重度知的障害の方のライフステージに沿った支援
明星大学人文学部福祉実践学科 准教授 繩岡好晴
NPO法人 発達障害サポートセンターピュア施設長 種村祐太
2 日目:7月 30日(日)
◆【講義④】自閉症支援の事例紹介:前半 後半 NPO法人あおぞら 発達障害児支援室室長 宮崎義成
◆【講義⑥】◆記録の必要性 NPO 発達障害サポートセンターピュア施設長 種村祐太
◆【振り返り】
◆【全体ワークシートの確認・発表】
参加状況
参加者のみなさまの声
Q1.セミナーで受講した内容は事業所等に戻り実践できる内容でしたか?
- 氷山モデルについて(研修事例を見て、職員で取り組む時間を作り、支援員で協力して意見を出し合い、氷山モデルシートを活用して取り組みをPDCAサイクルで対応していけたらいい
- ご本人の特性、行動をアセスメントするためのツールを取り入れていくことはできそうだと思いました。ご本人の行動だけに対処するのではなく、ご本人のみえるところ、みえないところ、特性を知り、ご本人はあう支援をしていくことはできると思いまし
- 氷山モデルシートを活用して利用者の特性を理解する
- 利用者自身の視点に立つ客観性が大切なので、そのためのデータ収集や特性の理解から必要な支援を見出していく
- 問題行動から離れて、アセスメントを職員同士で出し合う
- 視点を少し変えることで行動の一つから読み取れる情報があるとわかった
- 1日目のグループワークで参加者各位の体験を共有した際、自閉症支援を具体的となる姿勢、ポイントを再確認しました。体験談ということで自身の日頃の状況とも照らし合わせやすく、毎日の繰り返しで視野が狭くなっていたと自覚できました。
- 記録の大切さはもちもん、支援するうえでの視点やチームワークの作り方、チーム力の向上の仕方など支援者に伝えたいと思う部分が多かった。
- 研修2日目の午前の講義、グループワークの内容です。1つの行動に対して、話し合い、そして解決策を見つけるまでは施設でも行っていますが、氷山シートのようにいいところや改善点を見つけ、1つずつ改善し、見つめなおしたいです。
- 現在問題行動がある人がいるため、その人の問題にだけ焦点をあてるのではなく、行動全体をちゃんとみて分析、理解できると思った。
- 氷山モデルとPECSの活用
- 記録の取り方、行動観察などの応用
- 意見を出しやすい雰囲気作り
- 各事例については類似のケースに覚えがあり、自施設でも取り入れたいと思いましたが、準備や実施のための時間や人手を確保するのが難しいため、従事業務を見直して余裕を作ることが必要だと思います。
- 利用者個人に必要なものとそうでないものをわけて、職員の負担とならないところからスタートする。成功したところで、よりよい支援を目指して追加する。
Q2.今回のセミナーを受講する前と受講した後は何か意識で変わった点やこうしてみたいなど思った点などありますか?
- 皆さん同じ悩みを持っており、自分たちだけではないのだと思うことができ、少しほっとしました。いろいろな地域からきた職員の方たちと交流する機会がなかったので、今回の研修で支援のことについて、意見をかわすことができ、日々利用者の方について、それぞれ考えながら支援をしていることを知り、明日からもがんばろうと思った。
- 利用者の課題となる行動について考えるときにネガティブな意見が多くなるので、ポジティブな部分や本人のニーズを踏まえた課題となる行動の対策を考えていこうと思った。
- 事務所の中でかかえていた支援の悩みは、他の方も同じように持っていらっしゃるとわかり、少し安心しました。また、見えている問題に対して、客観的に記録などをもとに様々な原因を考えること、様々な対応を考えてみること、それをチームで統一することの大切さを実感しました。見えていない部分を意識した関わりを考えていきたいと思いました。
- 強みを生かす視点は忘れがちなので、こういった研修を受けることで再確認できた
- 利用者の問題行動ばかりに着目しがちで、それを制限や回避する支援になりがちだったが、楽しみを見つけ、よりできることへ視点を変えることで代替えの行動へ移行し、利用者にとって豊かで安心した生活を確保することができると知って、すぐに実践したいと思った。
- 押しつけの支援が利用者の選択や行動の自由を奪っていることに気づかされた
- チームワークの大切さ、特性の理解の大切さを再確認
- 問題となるような行動ではなく、本人の障害特性に目を向けていく。また氷山モデルを使って、困難ケースを一度整理してみたいと思った。
- チーム支援の重要性、記録の重要性を改めて認識しました。
- アセスメントによる特性理解を全体で行うこと、すり合わせだけでなく、異なる意見も可能性を受け入れ修正材料とすること。
- アセスメント、チーム支援の重要性、構造化や支援ツールなどの必要性を感じた
- 改めて自閉症の理解と記録について研修方法を学びましたので、事業所内の参考にします。
- 問題行動があった時の考え方。「行動」ばかりに着目するのではなく、その背景、障害の特性を改めて振り返ることが大切
- その人のできること、好きなことなど、苦手なこと、できないこと、両方を把握してその情報を整理することが大切であること
- この人はここまで、と自分の中で決めつけていたなと反省をしました。その人の能力を見極めて、エンパワメントの視点で環境を含めて整えていけば、できることを増やせ、その人自身がより豊かに生きていけるのだなと思いました。
- 利用者の行動1つだけを見てしまっていたので、前後や本当の想いについて理解できるようにしてコアスキルを高めていきたいと思っている。